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新卒採用のトレンド変化:三省合意の改正とは?
こんにちは!
採用戦略が年々進化する中で、企業は毎年、より良い人材を確保するために様々な工夫を凝らしています。特に近年では、「三省合意の改正」の影響で、インターンシップのあり方に大きな変化が見られます。
今回は、この三省合意改正による採用活動の変化や考え方のシフト、そして自社に合った人材を採用するための方法について解説します。
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- 三省合意とは?
三省合意とは、1997年に文部科学省・厚生労働省・経済産業省が共同で策定した「インターンシップ推進におけるガイドライン」のことです。このガイドラインは、主に以下のポイントを企業に求めています。
– 学生が学業に専念できるよう、過度な早期選考や採用活動を避けること。
– インターンシップや説明会が長期化しないよう配慮すること。
– 学業と両立できるよう、採用活動の開始時期や手法に工夫を加えること。
これにより、企業は単に早く人材を確保することだけでなく、学生の学業の重要性を尊重した採用プロセスを整えることが求められています。
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- 2022年の三省合意改正のポイント
2022年の改正では、次のような重要な変更が加えられました。
1. 学生のキャリア形成支援を4つのタイプに分類。
2. インターンシップの定義を明確化。
3. インターンシップで取得した学生情報を、一定の条件下で採用活動に利用可能に。
4. インターンシップと呼べるのは、最低でも5日間のプログラムであること。
大きな変化としては、5日を超えるインターンシップを実施する場合、参加した学生の情報を採用活動に使用できるようになった点です。
これまで、インターンシップや仕事体験で取得した学生情報を採用活動に利用することは禁止されていました。これは、インターンシップが採用活動の一環ではなく、学生のキャリア形成を支援するためのものであるという考え方が背景にあったためです。しかし、今回の改正により、インターンシップが採用活動の一環としても利用可能になったのです。
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- 採用活動の変化
今回の三省合意の改正を受けて、5日以上のインターンシップを実施する企業が増加しています。この改正により、インターンシップを開催することで、採用活動に学生情報を活用できる点が企業にとって大きなメリットとなっています。これまでインターンシップを検討してこなかった企業も、積極的に導入し始めています。
一方で、学生の行動にも変化が見られます。例えば、25年卒採用では仕事体験からインターンシップに誘導する流れが一般的でしたが、26年卒採用ではインターンシップに直接応募する学生が増え、逆に仕事体験に応募する学生が減少しています。
このように、企業と学生の双方に行動の変化が見られ、今後インターンシップの準備がますます重要になってきそうです。
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- インターンシップを開催する際の注意点
ただ5日以上のプログラムを作るだけでは、学生の満足度を高めることはできません。三省合意の内容を踏まえながら、自社の魅力を伝えるプログラム設計が必要です。
例えば、5日連続で座学のみを行うプログラムでは、学生の満足度は低くなりがちです(実際に座学のみだと1日でも疲れるという声が学生から寄せられています)。そのため、以下のポイントを押さえたプログラム設計が求められます。
– 業務体験を半分以上含めること。
– 適切なフィードバックを行うこと。
– グループワークを取り入れること。
– 社員との交流機会を設けること。
– 経営理念を体験できる場を提供すること。
特に「経営理念の体験」は重要です。多くの学生は複数のインターンシップや仕事体験に参加しています。その中で他社との差別化を図るためには、「他の企業と何が違うのか」「なぜ違うのか」「何を目指しているのか」を明確に伝えることが必要です。
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- 学生の価値観の変化に合わせた戦略
近年、多くの学生が「仕事とプライベートの区別をしっかりつけたい」という価値観を持っています。これは、時間の使い方にこだわりを持つ学生が増えていることを意味します。企業は、理念を通じて自社がどのような時間の使い方をしているのかを明確に伝え、それを学生が体験できる場を提供することがますます重要になっています。
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- まとめ
今回は「三省合意改正」による企業と学生の変化、そしてその変化に対応するための注意点についてご紹介しました。学生の価値観が変化している今、企業は「選ばれる存在」であるために、戦略的な採用活動を行うことが重要です。
インターンシップの設計や採用戦略について迷っている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。戦略構築から計画、実施支援まで、トータルでサポートいたします!
一緒に未来を創りましょう!